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叱り方トラブルと叱りすぎ防止方法:「しつけ」置き去り、行方不明報道から



碓井真史
新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 教授のお言葉

お子様のいる方は、参考にどうぞ

■叱られて、「しつけ」で置き去りにされた子どもが行方不明に

北海道七飯町の山林で、叱られた子どもが行方不明になっています。

 

両親は「言うことを聞かなかったことがあり、しつけとして置いてきた」と話しているという。

~「本当のことを言うと(虐待をしたなどと)疑われるかもしれず、世間体を気にした。多くの皆さんに迷惑をかけ、申し訳ない気持ちでいっぱいです」とわびた。

 

出典:「しつけ」置き去り、事実と違う説明 「世間体を気に」 朝日新聞デジタル 5月30日

別の報道では、父親は穏やかな人とも報道されています。

 

道警函館中央署によると、大和君の両親は「しつけのため置き去りにした」と説明。こういうことは初めてと話しており、同署は虐待の可能性はないとみている。

 

出典:不明3日目も見つからず=置き去りの小2男児―北海道 時事通信 5月30日

■叱り方トラブルは、不慣れな叱り方で発生する:殴り慣れ、殴られ慣れ

叱ることによるトラブルは、しばしば叱り慣れていないケースで発生します。今回の詳細は不明ですが、たとえば殴って指導することが日常的にあった時代は、殴り慣れている人と、殴られ慣れている人同士でしたので、意外と大怪我は発生しませんでした。

殴る前に「歯をくいしばれ」と言われてそのようにすれば、口の中を切るケガは防げます。戦争中に、上官が部下の尻を棒で殴るようなケースでも、上官は尾てい骨を折るような殴り方は決してしません。天皇陛下からお預かりした兵士を怪我をさせ、戦線離脱などになれば、上官も責任が問われます。

尻がはれ上がることはあっても、入院が必要な大怪我は負わせないわけです。殴られるほうも、下手に逃げて変なところを殴られては困りますから、倒れないような姿勢をとり、逃げずにじっと我慢します。

また、日常的に鉄拳制裁による指導(殴って教える指導)が行われている時代、社会では、殴られた場合の心理的傷も、比較的軽いものになるでしょう。

ところが、殴り慣れていない教師が、ついカッとなって、殴られ慣れていない生徒を殴ったりすると、倒れて頭を打ったり、鼓膜が破れたりする事故が起きやすくなります。また、大怪我をしなくても、心理的ダメージはとても大きくなるでしょう。

■叱るときは様子を見ながら

虐待も体罰も、もちろんだめです。しかしその是非はともかくとして、たとえばカツオ君が波平さんに物置に閉じ込めるような叱り方も、この子をそのような状況に置けばどうなるのかがわかっていれば、危険は避けられます。

カツオ君は、以前から何度かそのような叱られ方をしてきたのでしょう。小さいときは、今よりも軽い叱られ方だったでしょう。もしも、カツオ君が閉所恐怖症で、暗くて狭いところに入れたら過呼吸を起こして大変だといううなら、両親は早い段階で気づき、もうそんなことはしないでしょう。

何度か同じような叱り方をしながら、様子を見ながら、年齢に応じた叱り方を、親も学びんでいきます。

年齢が上がるほどきつい叱り方にあんるだけではなく、小さいころなら頭ごなしに叱っても通用したことが、思春期になればかえって反発するようになりますから、年齢に応じた叱り方を親は学んでいくでしょう。

■置き去りはよくある叱り方?

今回の報道を受けて、ひどい叱り方だ、虐待だと語る人もいます。教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんも「悪い躾の見本です…虐待です」「虐待とは「子どものためといいながら、親の気持ちを満足させるため」「子どもが納得していないのに恐怖や痛みを与え従わせるのは悪い躾」と語っています(尾木ママオフィシャルブログ)。

一方、このような叱り方は良くあることだという意見も見られます(「しつけ」で子どもを山に「置き去り」 意外に多い「私も同じ目にあった」)。たしかに、公園や街中、デパートなどで、親においていかれた子どもが、泣きながら親を追いかける姿は、ときおり見かけます。

しかし、ほとんどの親は子どもを危険な目に合わせるつもりはありません。子どもがついてくることや、一人で帰れる事をわかっていての行動でしょう。

多くの場合は、危険なことも起こらず、また深い心の傷になることもありません(ただし臨床事例としては、置き去りにされたことがトラウマになって今も同じ場所に行くと吐き気がすると語るケースなどもあります)。

■親も叱り方を学んでいく

何が虐待かは時代によって変わります。そして、適切なしつけ、しかり方は、その子によっても異なるでしょう。

一般に、子どもの困った行動を直すにはどうすれば効果的か、どのように叱ると子どもはどう反応するのかを、親は経験しながら学んでいきます。

子育て本にいろいろ書いてあっても、その子によって適切な叱り方は異なります。効果的で、そして危険性のない叱り方を、親はしだいに身につけていきます。

だから、子どもが今までにないことをしたときや、親が今までにない叱り方をするときは、要注意です。

■ユニークな子ども・世間体

報道によれば、人や車に石を投げ付けたとして両親に叱られたとあります(40時間以上、手掛かりもなく…男児捜索130人態勢:テレビ朝日系(ANN) 5月30日)。

この短い情報では、何があったのかはわかりません。ただ一般論ですが、子どもたちの中には善悪の問題ではなく、ユニークな行動をとる子もいます。

ユニークな子どもたちは、大人の予想外の行動をとります。そのために、大人にひどくおこられることもありますし、大人の予想外のところへ行き、思いもしない場所にいることもあります。親は、いつも大変です。

今回、父親が世間体を気にし、誤解を恐れて、当初事実とは異なることを述べたと報道されています。その気持ちはわかります。しかし、叱られ置き去りにされたときの行動は、迷子の時の行動とは異なることも考えられます。そのために適切な初動が遅れた部分があるとすれば、残念です。

■叱るときの親の思いと叱り方

 

以前にも車に石で傷を付けたことがあり、「父親としての威厳を示さなければ」と感じ、自宅へ帰る途中、林道に寄り「反省しなさい」と車から降ろした。大和君が泣きながら車を追い掛けてきたため、一度は車内に入れたが、約500メートル先の三差路で再び大和君を降ろしたという。

貴之さんは車を止め、5分ほど歩いて大和君を迎えに行ったが、姿は見えなかった。家族で周辺を約30分捜しても見つからず、警察に通報した。

 

出典:田野岡大和君の父「威厳を示さねば」と車から降ろした 泣きながら車を追いかける大和君 戻ったが息子はおらず:産経ニュース5.29

今回の詳細はわかりません。

一般的に、親は子どものためを思って叱ります。ただ、そのとき同時に様々なことを考えます。あまりに感情的になってしまい心の余裕を失うと、叱りすぎてしまうこともあります。

きちんとさせなければ姑にいやみを言われると思えば、しつけが行き過ぎることもあります。父親が、「父の権威を示さなければ」と考えるのも同様でしょう。しばしば余計な考えや感情が、どの程度の叱り方が適切かという親の直感を狂わせます。

通常であれば、泣きながら追いかけてきた子どもを車に乗せたところで、今回のしつけ、叱責は、終わるところでしょう。そこで何があり、父親が何を考え、子どもがどのような様子で再び置き去りにされたのかは、まだわかりません。

■叱りすぎないために

叱ることは大切です。非行少年の中には、だれも本気で叱ってくれないことに傷ついている子もいます。しかし、叱りすぎも禁物です。

「叱りすぎは逆効果です。でも、愛と熱心さ、余裕のなさが、叱りすぎを生みます。何とか直って欲しいと思いすぎること、今日、今、わかって欲しいと思いすぎると、叱りすぎが生まれます。どうせ人はすぐには変わりません。また失敗するでしょう。だから、今日は今日の分だけ叱りましょう。」(正しいほめ方叱り方、してはいけないほめ方叱り方:Y!ニュース個人有料:碓井真史)

行方不明少年が無事保護されることを、祈っています。

~~~~~~~~~~~~~~

AED取扱い講習会を受けてきました!


今日はAED講習会ということで、宇都宮の消防本部に出張して講義&実技研修を受けてきた。


AEDとは、Automated External Defibrillator(「自動体外式除細動器」)の頭文字を並べたものであり、臨床的評価によって、除細動器としての安全性と有効性が確認された器械である。

器械の電源を入れると、器械から音声で操作手順、方法が指示され、救助者はそれに従った取り扱いを行うことにより、除細動を実施することができる。

また、器械自体がセルフチェック機能を有し、電源(バッテリー)も約5年間の寿命となっている。

救助者は傷病者の胸に電極パッドを装着し、音声指示に従って器械を取り扱うだけで、心電図読解をはじめとする医学的知識がなくても、器械が自動的に除細動の適応か否かを判断してくれる。

つまり、救助者は、器械が除細動の指示を出した時のみ、通電のボタンを押せば良い仕組みになっている。

AEDはコンピュータ化され、精巧で操作しやすい器械であることから、欧米では多数の公共施設に設置され、訓練を受けた市民による除細動が成功している。

ただし、現状でAED適応と認められる対象は、8歳以上または体重が25kg以上の者とされている。



また、除細動の必要性であるが、心停止後、1分除細動が遅れるごとに7%~10%救命率が減少すると言われる。

脳障害を起こさずに救命するためには、心室細動に対して心停止後5分以内にAEDによる早期除細動を行うことが必要である。

もし、AEDが身近にない場合には、AEDが到着するまで心肺蘇生法を行うことにより、除細動が8分以内であれば救命率50%を期待することができる。

AEDが認識する心室細動の波形は、心室細動発症から4分以内に見られる波形であるので脳虚血状態が4分以内あれば、除細動により心拍が再開し、それにより血液循環が再開されれば、致命的な脳障害が防げることを意味する。

心停止後すぐさま心肺蘇生法を行って、脳と心臓にわずかでも血液を循環させておけば、脳細胞の障害を遅らすことができ…

AEDが除細動を認識した場合には、心停止後の経過時間にかかわらず、除細動が可能であるばかりでなく、脳循環は維持されている証でもあり、脳蘇生も期待できるのである。



以上、講習会でいただいた資料の内容を抜粋してみました。



AEDの世話になるようなことにはなりたくないが、誰かが心停止になっているのは見逃せないわけで…


この講習会で得られたことをしっかり頭に入れ、もしもの時には手助けできたらと思うのであった。

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